【今週の労務書】『知らないと損する労働法の超基本』
2022.07.30
【書評】
時間管理は1分単位で
地元で再就職した28歳の女性を主人公に、ストーリー形式で労働法に関するポイントをまとめている。彼女は労働環境が整っていない地場の飲食チェーンで、社内規定の整備に励んでいく。内容は初心者向けで、たとえば就業規則に関する解説は、「絶対的記載事項と相対的記載事項の違いは何か」「どのように周知すれば良いのか」など。人事労務担当初任者に、「まずは一読を」と手渡すには打ってつけといえよう。
折しも大手飲食チェーンで話題となった労働時間管理については、「1分単位で把握を」と注意を促す。ただし時間外労働に限っては、1カ月の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることが認められている点にも触れている。
(石井孝治著 日本実業出版社刊 税込1540円 TEL:03-3268-5161)
令和4年8月1日第3363号16面 掲載