ヒトと会社が輝く組織に/伴人事労務研究所 伴 由紀子
1カ月ほど前に、所属する社会保険労務士会から永年勤続の表彰状と記念品が届いた。思い起こせば、人材マネジメントにかかわる仕事がしたいと思い、社会保険労使士の資格をめざした。ヒトという経営資源に強い関心があったからだ。モノという機械を操作するのも、カネという資金を回すのも、情報を集め活用するのも、ヒトである。他の経営資源を生かすも殺すも、ヒト次第といえる。まさに、松下幸之助のいうとおり、「企業は人なり」である。
資格取得後は、「ヒトと会社が輝く組織づくりを支援する」を理念に掲げ開業し、人事・労務から経営まで徐々に支援内容を拡大してきた。
中小企業、とくに小規模企業では、働く上での労働条件に曖昧な部分が少なくなく、また、会社の経営目標・計画も不明確だったり、社内で共有できていなかったりすることが多い。
結果的に、離職率が高く、優秀な人材を確保・定着化させるのが困難で、企業業績も不安定な傾向が強い。社会保険労務士の基本業務として、労働条件を明確化し、労働契約書や就業規則などの書類を作成したり、必要な労働・社会保険などの手続き業務を代行したりすることは、顧客企業の従業員が安心して働き続けるための「働きやすい」職場づくりに役立つ。
ただ、それはハーズバーグの唱える衛生要因に当たり、仕事に対する不満を解消することはできても、満足度やモチベーションを上げることにはつながらない。
社会保険労務士のコンサルタント業務を拡大し、顧客企業の必要業務を洗い出し、段階的に難易度の高い責任ある仕事へ挑戦できるように職務を設計したい。さらに、業務改善や新事業の提案制度を構築する支援なども行うことで、仕事への達成感や経営への参画意識を高め、従業員のやりがいを刺激し、「働きがい」のある組織づくりに貢献したい。それは、ハーズバーグがいう動機付け要因となり、仕事への満足度を高め、定着化を促進するとともに、個人の成長を高め、会社の成長にもつながる。
近年、多くの企業で取り組んでいる働き方改革は、時間外労働の上限規制や同一労働同一賃金への対応も含めて、「働きやすさ」に関する取組みが多いように感じている。弊所では「働きやすさ」に加え、「働きがい」の実現に向けた支援を強化していきたい。ヒトという経営資源の無限の可能性を信じて、その可能性を開花させることのできるコンサルタント業務のやりがいを原動力にして臨みたい。
伴人事労務研究所 伴 由紀子【愛知】
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