今週の労務書―2022年4~6月掲載記事を振り返る
労働新聞に掲載した『今週の労務書』から、2022年4~6月号で掲載した書評をご紹介します。
『持続的成長をもたらす戦略人事 人的資本の構築とサステナビリティ経営の実現』須田 敏子・森田 充 著
持続可能なサステナビリティ経営の実現を模索する本書では、ダイバーシティの推進や賃上げを実現する人事制度など、人事の側面から解説している。
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須田敏子・森田充著、経団連出版刊、税込2200円
『仕事から見た「2020年」 結局、働き方は変わらなかったのか?』玄田 有史・萩原 牧子 編
コロナ禍が働き方に与えた影響について、コロナ禍前から同一個人を調査し続けたデータを通じ検証したのが本書である。11人の学者らが、テレワーク、雇用形態間格差など多様な切り口から分析をしており、現在の潮流を概観できる。
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玄田有史・萩原牧子編、慶應義塾大学出版会刊、1980円税込
『シニア人財を戦力化する 人事・賃金・報酬制度の作り方』菊谷 寛之 著
副題は「ジョブ型人事制度を見据えた70歳雇用延長への対応」となっている。60歳定年制および再雇用制度の再設計に際しては、2種類の「役割給」の活用を勧めた。
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菊谷寛之著、第一法規刊、税込2970円
『実務 中国労働法 日中対比で学ぶ最新労務管理』五十嵐 充ら 編著
本書は、中国で労働契約法が施行されてから15年近くが経過し、労働者の権利意識の高まりとともに労働紛争が増加傾向にあるなか、中国に進出する日本企業に対し、中国での労務管理上の留意点を解説したもの。
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五十嵐充ら編著、経団連出版刊、税込2200円
『労働者派遣法 第2版』鎌田 耕一・諏訪 康雄 編著
派遣法を体系的に理解するための「道しるべ」をコンセプトにした一冊。2017年の初版から5年ぶりの改定で、派遣労働者の均衡・均等待遇確保にかかる法改正や労働契約申込みみなし制度に関する裁判例などが追加されている。
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鎌田耕一・諏訪康雄編著、三省堂刊、税込4180円
『図解でわかる 労働法の基本としくみ』佐藤 広一・太田 麻衣 著
新任の人事労務担当者や、部下を抱えることになった管理職・マネージャーなどを対象とした入門書。労働法を基礎から学びながら、すぐに実務に役立てることができる。
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佐藤広一・太田麻衣著、アニモ出版刊、1980円税込
『人事担当・管理職のためのメンタルヘルスの教科書』清水 隆司 著
本書は、部下を持つマネージャー層や非医療職の人事担当者を対象とし、メンタルヘルス・マネジメントとは何かを説いていく。たとえば普段から部下の勤怠の乱れに注意を払うのは管理者の役割と強調し、放置すれば職場全体の問題につながりかねないと警告する。
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清水隆司著、総合法令出版刊、1650円税込
『人が集まる! 求人票実例集 160職種』五十川 将史 著
全160職種もの求人票例を掲載する本書では、求職者が最初に目にしやすい「仕事内容」の欄で創意工夫を凝らすよう勧め、職種ごとに具体例を示している。
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五十川将史著、誠文堂新光社刊、2970円税込
『中高年男性の働き方の未来』小島 明子 著
都市部の大企業に勤める大卒以上を中心に、中高年男性の実態を明らかにしたうえ、定年前後のキャリアをどう形成するか、そこへ企業がどのような施策を打てるのかを示したのが本書である。
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小島明子著、きんざい刊、税込1980円
『社長!そんな採用サイトでは絶対にいい人材は獲得できませんよ!』嶋田 利広、尾崎 竜彦 著
サブタイトルは「『求職者が増える』『社員が辞めない』20の仕掛けとコンテンツ」。採用サイト上に載せるべき情報を整理し、具体的な書きぶりも指南する。
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嶋田利広、尾崎竜彦著、㈱マネジメント刊、税込1650円
『パワハラがない職場のつくり方』小林 秀司、人本社労士の会 著
本書は、企業におけるパワーハラスメント防止措置が義務化されるなか、人を大切にする経営手法である「人本経営」の実践によって、パワハラを発生させない組織風土をつくるよう企業に提案するもの。
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小林秀司、人本社労士の会著、アニモ出版刊、2750円
『研修開発入門 「研修評価」の教科書』中原 淳、関根 雅泰、島村 公俊、林 博之 著
企業は人材開発を目的にさまざまな研修を実施している。しかし、コストに見合う効果があったか評価できているかと聞かれ、自信を持ってYESと答えられる人事担当者は少ないのではないだろうか。
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中原淳、関根雅泰、島村公俊、林博之著 ダイヤモンド社刊 2640円税込