【ひのみやぐら】三次産業の災害防止へ新体制

2022.08.29 【ひのみやぐら】
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 労働災害は長期的にみると減少傾向にあるものの、高止まり感が強く、根絶とは程遠い状況となっている。わが国の産業構造の変化により、重厚長大産業での死亡災害が少なくなるなか、喫緊の課題は三次産業へのアプローチであることは論を俟たない。

 昨年の死傷災害数は14万9918人だが、53.7%が三次産業を占める。業種的には商業、保健衛生業、接客・娯楽業がトップ3になるが、そのうち小売業、社会福祉施設、飲食店で目立つ。なお、この3業種は第13次労働災害防止計画の重点業種になっている。

 三次産業に対する災害防止について厚生労働省は、機会を捉えて指導をしてきたわけだが、建設業や製造業のように企業間同士のつながりが強くなく、業界団体を集めて指導するのが難しい状況だった。さらに店舗の改廃が激しく、製造業や建設業に比べると企業の寿命が長いとはいえない。事業が行われているのか、正確に実態を把握するのも困難だったようだ。また、本社を睨んだ指導も実施したが、その取組みは必ずしも定着したとはいえなかったようだ。

 こうした状況から、労働災害防止の体制を再整備すべく今年度より始まったのが「従業員の幸せのための安全アクションSAFEコンソーシアム」だ。対象は全業種で行政、研究機関、企業、団体が連携した取組みにより、労働災害を社会問題として捉えて国民全体の意識を高めていく。この枠組を基に都道府県労働局では、小売業・介護施設を中心に行動災害防止を目的とした「+Safe協議会」「+Safe育成支援」を行う。

 コンソーシアムの動きも本格的に始まり、6月20日に設立発表会が開かれ、ホームページも立ち上がっている。都道府県労働局をみると大阪労働局では6月27日に小売業、28日に介護施設を対象に第1回目の協議会を実施した。千葉労働局は7月27日に小売業対象の協議会を設立し、問題解決のための知恵を出し合い、有益な情報を発信できるよう「共同宣言」を出している。

 コンソーシアムではアンバサダーにお笑いタレントを起用しており、情報発信に力を入れる姿勢が読み取れる。今後の動向に注目だ。

2022年9月1日第2409号 掲載
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