“職務”の人事制度研究部会/いしざきのりこ社会保険労務士事務所 代表 石﨑 憲子
福岡県社会保険労務士会の人事制度研究部会は、令和3年11月から活動を開始した。
きっかけは令和2年、緊急事態宣言の合間を縫って開催された労働新聞社主催のセミナー「演習を通して基礎から学ぶ 同一労働同一賃金と職務分析・職務評価」の受講である。開催地である福岡の社労士が、それぞれの課題を抱え、解決策を模索して参加した。私自身は、同一労働同一賃金を現実的に企業へ落とし込むには、行政の示すマニュアルでは足りないと感じたためである。
講師の西村聡先生のお話が始まるとすぐに衝撃を受けた。同一労働同一賃金の説明で何度も自ら口にしてきた「職務の内容」の本物がそこにあった。仕事の具体的な内容に目を向けることで、同一労働同一賃金に限らず、業務改善、生産性向上、人手不足、テレワーク、育児・介護、女性活躍、パワハラ防止などあらゆる課題が解決していくイメージが浮かんだのである。
「これだ!」と感じた社労士が西村先生の「人事コンサルタント養成講座」を受講し、半年近く共に学んだ。難しい内容を理解するのに受講生同士のサポートが大きな力となった。
講座修了後も、福岡県会の綾部光先生を中心とした勉強会に参加した。勉強会開催日までの宿題として、講座の録画を見直し、西村先生の著書を読み、各自の感想や不明点、疑問点を持ち寄り、参加者同士で講座資料や書籍を見ながら答えを探していく。サプライズで西村先生が登場され、熱い思いが語られることもある。
勉強会から1年が経過した頃、福岡県会で部会の募集があり、綾部先生の「自分達がやるべきではないか?」との提案に賛成した仲間が集まり、西村先生のお力も借りつつ「人事制度研究部会」が立ち上がった。
初回のテーマは「社会保険資格取得手続き」の職務分析前の情報収集だった。福岡県会会員に参加者を募り、講座修了生がファシリテーターとなって、各参加者が記入してきた「職務予備調査票」を発表・共有・修正していくことで、何気なくこなしていた資格取得手続きに、参加者それぞれの「気付き」が生まれる。参加者アンケートの満足度は高いが、知識欲は満足できず、職務追求への欲が出てくる。部会は成功だ。
第2回では職務分析の手法「プロセス展開表」に熱心に取り組む姿に、第3回の開催を約束した。今後は、西村先生が立ち上げられた(一社)日本職務分析・評価研究センターの会員としても、実践と学びの場をつなぐ役割を果たしていきたい。
いしざきのりこ社会保険労務士事務所 代表 石﨑 憲子【福岡】
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