社会への貢献を第一に/山崎俊介社会保険労務士事務所 山崎 俊介
今年の3月、私は30年勤めた会社を退職して、52歳にして駆け出しの開業社労士となった。
サラリーマン時代を振り返ってみると、大学卒業後、大手百貨店に入社したが、売場に立ったことは一度もない。新入社員の時は船舶内装工事を請け負う部門に配属されて、ヘルメットを被って造船所の現場を歩き回っていた。その後も人事・経理などの後方部門を渡り歩いた。
30歳代の時に社労士の資格を取得したが、ただ自分に自信をつけたかっただけで、正直どんな資格でも良かった。当時何度も試験に落ちたので、別の資格にすれば良かったと思っていたくらいだ。
とはいえ、合格後は、勤務社労士として給与計算や定年退職者向けの年金・社会保険説明会など、資格を生かした仕事ができるようになった。また、この頃から、社内の人に頼られる機会が増え、誰かの役に立てることが嬉しいと感じるようになってきた。
40歳代も後半になった時、同じグループの派遣会社に出向になった。そこで、管理職として派遣スタッフの給与・請求業務を担当したのだが、派遣スタッフは就業先がバラバラのうえに入退社が多くて、本当に大変な仕事だった。事務所には書類があふれていて、締め日はみんな夜遅くまで残業していた。
それから、エルタックス(地方税ポータルシステム)の利用、源泉徴収票の電子化、年末調整のウェブ申告、請求書の電子化など業務効率化に取り組んだ。これらができたのはメンバーが必死で付いてきてくれたおかげであり、私が一人でやったことではないが、メンバーから「山崎さんが来てから少しずつ仕事が楽になった」という言葉を聞いた時は、嬉しかった。
一方で、この頃、労働法専門の弁護士と判例研究を行う勉強会に参加するようになり、会社と従業員との間でどんな紛争が起こるのか、裁判で会社が敗訴する理由は何かなどが、少しずつ理解できるようになってきた。当時勤務していた派遣会社でも、派遣スタッフとのトラブルを目の当たりにすることがあったが、会社と従業員の両者にとって不幸なことなので、労務管理を指南して雇用リスクを減らすことは、社会の役に立つのではないかと考えて、開業を決めた。
振り返ると、誰かの役に立てることを大切にしたい自分がいて、その私にできることは、世の中により良い雇用環境を創り出していくことだと気が付いた。これからは、社労士という仕事を通じて社会に貢献できるようになればと思っている。
山崎俊介社会保険労務士事務所 山崎 俊介【大阪】
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