【安全衛生・お薦めの一冊】労働災害の法律実務

2022.12.26 【書評】
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裁判例から傾向を導く

 本書は、新潟県弁護士会が2022年度関東十県会夏期研究会のテーマである「労働災害」について研究成果をまとめたもの。労働災害に関わる法律や制度を体系的に整理し、丁寧に解説している。最新の判例を数多く紹介しながら判例の傾向の分析、証拠収集方法など実務上の対応を示しているのが特徴だ。

 「労災事件処理の基礎」「労災認定と業務起因性」「労災民事訴訟と安全配慮義務」「損害論」「労災事件の証拠収集」「公務員の公務災害補償制度」の全6章で構成している。

 例えば、墜落・転落事故について、フォークリフトから転落した事案やつり足場が落下して死亡した判例を紹介。そのうえで、労働者側に何らかの落ち度があったとしても、結論として賠償義務が肯定されることが多いと傾向を解説している。

 使用者、労働者側を問わず、法律実務に役に立つ一冊だ。

(新潟県弁護士会編、ぎょうせい刊、TEL:0120-953-431、A5判、431ページ、税込4950円)

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2023年1月1日第2417号 掲載
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