安全スタッフに掲載した『安全衛生・お薦めの一冊』から、2022年に掲載した書評をご紹介します。

『心理職のための産業保健入門』小山 文彦 編著
職場のメンタルヘルス不調者が増えるなかで、臨床心理士や公認心理師、産業カウンセラーなどの心理職が企業内で活躍する場面が増えている。

小山文彦編著、金剛出版刊、税込3080円

『建設現場の安全点検とそのポイント』建設労務安全研究会 編
建設現場は日々状況が変わる。作業も人も環境も目まぐるしく移り変わり、そこに油断が入ると災害を招いてしまうことも多い。一にも二にも安全点検が重要なのはいうまでもない。

建設労務安全研究会編、労働新聞社刊、税込2750円

『裁判例で紐解く　企業の安全衛生責任』外井 浩志 著
本誌好評連載中の「裁判例が語る安全衛生最新事情」が再び書籍になった。平成24年に出版した「労災判例に学ぶ企業の安全責任」の続編で、このたび連載記事から69の判例を精選。

外井浩志著、労働新聞社刊、税込2200円

『現場の朝礼で役立つ安全衛生60秒スピーチ集』末松 清志 著
本書は製造現場や建設現場での事故や災害を未然に防ぐための安全衛生対策を、朝礼に活用できるよう、時季に合った話題や災害・事故の原因と対策を60秒程度で話せる151のテーマに凝縮して説明している。

末松清志著、労働新聞社刊、税込1650円

『管理職なら知っておくべきメンタルヘルス』渡辺 洋一郎 著
ストレスチェック制度の検討委員を務め、企業の管理職研修なども手掛ける精神科専門医、産業医である著者が、管理職が実践すべきメンタルヘルス対策の重要性を解説した本書。職場での不調者への基本的な対応のほか、ラインケアのなかで上司が果たす役割に注目する。

渡辺洋一郎著、日本生産性本部生産性労働情報センター、税込2200円

『ひと目でわかる労災保険給付の実務』労働新聞社 編・刊
労働災害は起こらないに越したことはない。しかし、どんなに安全活動を徹底していても労働者が被災することはあり得る。そんなとき、労災保険の流れを十分把握しているかどうかが重要になる。

労働新聞社編・刊、税込2640円

『インフルエンス・マネージメント　上司が変わる「良好な対人関係づくり」の新手法』小原 新 著
本書は人間関係を改善し、職場のパワハラ未然防止対策として生まれたインフルエンス・マネージメントを紹介したもの。無意識に働く自分の態度・性格・個性などを「対人キャラクター」と呼び、それが相手の気持ち、感情にどのような影響を与えているか推測し、必要に応じて改善する手法だ。

小原新著、明誠書林刊、税込1210円

『上司・リーダーのためのついついやっちゃう不安全行動改善の手引き』柴田 喜幸 著、後藤 英之 監修
安全通路のショートカット、保護具の着け忘れ、作業手順の無視――。「これくらいなら大丈夫」とついついしてしまう不安全行動をどうなくすか。本書では、17の不安全行動事例を取り上げ、「動機付け面接」の手法を用いて部下の心に指示を届ける指導のコツを説明する。

柴田喜幸著、後藤英之監修、中災防刊、税込990円

『高所作業の基礎知識　改訂第３版』菊一 功 著
本書は、高所作業の安全対策のポイントについて、図やイラストなどを用いながら分かりやすく解説したもの。既刊の改訂版だが、フルハーネス型安全帯の完全義務化を踏まえ、全面的に大幅な見直しを行っている。

菊一功著、労働新聞社刊、税込770円

『人事担当・管理職のためのメンタルヘルスの教科書』清水 隆司 著
「私が病気になったのは仕事が多過ぎたから」という理由で裁判を起こされたり、多額の慰謝料を請求される時代となった。企業が従業員の体調管理を行うのは当たり前で、精神面をフォローする「メンタルヘルス・マネジメント」に取り組む必要があると産業医の著者は指摘する。

清水隆司著、総合法令出版刊、税込1650円

『産業保健スタッフのための実践！「誰でもリーダーシップ」』東京大学職場のメンタルヘルス研究会 著
メンタルヘルス対策や健康増進などの産業保健活動を進める際、周囲の協力を得ながらいかに効果的な施策を展開できるかには、産業保健スタッフの手腕が問われる。

東京大学職場のメンタルヘルス研究会著、誠信書房刊、税込2640円

『知っておきたい！安全衛生の世界的動向』向殿 政男 著
「労働安全衛生」という言葉は現在、かなり幅を持つものになってきている。そんな最先端の状況を網羅的に学んでもらおうという野心的な試みが本書である。

向殿政男著、中災防刊、税込880円