【本棚を探索 スペシャルゲスト選集(2022年下半期)】『水上バス浅草行き』『ラジオと憲法』『パンデミックから何を学ぶか』ほか
労働新聞で好評連載中の書評欄『本棚を探索』から、2022年の下半期に公開した月替わりのスペシャルゲストによるコラムをまとめてご紹介します。
『水上バス浅草行き』岡本 真帆 著
ある日、突然、岡本真帆さんの短歌が、ツイッターのタイムラインに流れて来て、ぷっと吹き出してしまった。
〈ほんとうにあたしでいいの? ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし〉
選者:歌人 荻原 裕幸さん
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岡本真帆著、ナナロク社刊、1870円税込
『ラジオと憲法』角田 龍平 著
個人発信の情報が溢れ返り、映画ですら倍速で視聴される「配信の時代」。分かりやすさに価値を見出し、気忙しく手に入れた教訓めいた何かは、クリックやタップ一つで露と消える。
選者:小説家 塩田 武士さん
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角田龍平著、三才ブックス刊、1540円税込
『パンデミックから何を学ぶか』カリ・ニクソン 著
新型コロナウイルス感染症を総括する本が書店で見られるようになってきた。一方ここへきて日本は新規感染者数が世界1位。死亡者数も大きくは減っていない。
選者:小説家 瀬名 秀明さん
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カリ・ニクソン著、桐谷知未訳、みすず書房刊、3740円税込
『看護師に「生活」は許されますか』木村 映里 著
現代社会を理解するにおいて、「分断」「クラスタ」が大きなキーワードになりつつある。わたしたちは、一つの方向に皆で進むことができなくなった。
選者:選者:小説家 谷津 矢車さん
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木村 映里 著、Pヴァイン刊、1738円税込
『あなたのまわりの「高齢さん」の本』佐藤 眞一 著
現在、あれこれ問題視される言動の背後にある高齢者の「思考と行動の特徴」を、長年の研究蓄積を背景として平易に解説した本である。
選者:法政大学 名誉教授 諏訪 康雄さん
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佐藤眞一著、主婦と生活社刊、税込1540円
▽2022年上半期のまとめは、こちらから。