「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」の検討結果及び労災認定した事案について公表―福島第一原発事故後の作業従事者2名(厚労省)
厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」(座長:東京医療保健大学 教授 明石 真言)は、平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電所(以下「東京電力福島第一原発」という。)における事故後の作業従事者の2名から、それぞれ真性赤血球増加症(真性多血症)及び白血病を発症したとして労災請求がなされたことを受け、当該疾病が業務によるものかどうか検討を行った結果、それぞれ業務上との結論となった。
茨城労働局日立労働基準監督署及び福井労働局敦賀労働基準監督署において、令和4年12月21日に労災認定し、公表した。
労災認定された事案について①
○ 労働者は60歳代に真性赤血球増加症(真性多血症)を発症した男性。
○ 昭和54年12月~平成29年6月のうち約5.9年、放射線業務に従事。(東電福島第一原発事故後は、同原発構内での作業にも従事)
○ 総被ばく線量 約139mSv[うち事故後の東電福島第一原発での作業:約60mSv]
○ 全国の原子力発電所において電気系統の定期検査の業務等に従事し、東電福島第一原発事故後においては同原発構内での電気系統の工事における指導業務に従事したもの。
○ 事故後の東電福島第一原発での業務では防護服・全面マスク等を着用。
労災認定された事案について②
○ 労働者は70歳代に白血病を発症した男性。
○ 平成6年1月~平成30年2月のうち約8.6年、放射線業務に従事。(東電福島第一原発事故後は、同原発構内での作業にも従事)
○ 総被ばく線量 約78mSv[うち事故後の東電福島第一原発での作業:約31mSv]
○ 全国の原子力発電所の関連設備の建設作業に従事し、東電福島第一原発事故後は同原発構内でタンク新設工事業務等に従事した。
○ 事故後の東電福島第一原発での業務では防護服・全面マスク等を着用。
東京電力福島第一原発における事故後の作業従事者の労災認定状況
○ これまでに労災認定された東電福島第一原発における事故後の作業従事者に発症した疾病は、白血病3件、咽頭がん2件、甲状腺がん2件、肺がん1件。
緊急作業従事者への労災補償制度の周知について
○ 緊急作業従事者(約2万人)に対し、平成24年度から電離放射線被ばくによる疾病の労災補償に関するリーフレットを9回、直接送付している。
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「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」の検討結果及び労災認定した事案について公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29940.html