やりがいのある資格 「人」へ真摯に向き合う/社会保険労務士 奈良事務所 所長 奈良 恵子
現在の私の活動は、開業社労士としての業務のほかに、香川県社労士会副会長、香川県SR経営労務センター会長の任を拝命し、行政書士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントも兼業している。
平成16年に社労士試験に合格。社労士登録に必要な2年間の実務経験がないため、指定講習を修了し、平成17年に開業登録をした。労働基準監督署、年金事務所の場所も知らず、各役所の管轄範囲も分からず、関係書類1つ書いたことのない営業活動の苦手な開業当時の私が、社労士として活動している現在の私を想像することは難しかった。
まずは、知識不足、経験不足を補うため、労働局の総合労働相談員、年金事務所での年金相談員と現場での経験を積んでいった。それと並行して、さまざまな相談を受ける能力の向上を図るため、産業カウンセラー、キァリアコンサルタント、FP技能士の資格を取得してきた。先日、娘から「どのようにして顧客を増やしてきたのか」と質問を受けた。社労士試験合格より企業に必要な社労士として活動する方が難しいとの思いからの質問であった。
今の顧問先は開業地の香川県内だけでなく、愛媛、大阪、奈良、東京などと広がっている。全国社労士会連合会の広報ツールの一つに「人を大切にする企業のすぐそばに私たち社労士がいます」というフレーズがある。思えば「人に関すること」に真摯に向き合おうとしてきたように思う。その結果、顧問先から顧問先へとつながり、仕事が増えていったように思う。
年金に関しては、年金記録問題が起こった頃から、年金相談の前線で、一人ひとりの相談に分かりやすい言葉を用いた制度説明に心を砕いた。年金制度を知らなかったり、誤解したりして、老後の生活設計の見直しをしなければならない例をみてきたので、企業内での退職前生活設計セミナーにおいて、定期的に講演をしている。
労働関係においては、企業から従業員に関しての労働問題相談が増えてきた。また、ハラスメントなどで休職する従業員が増え、メンタルヘルス不調の未然防止に力を入れる企業も増えてきている。幸いにも、開業社労士として登録している夫が、公認心理師としても活動しているので、その助けを借りながら、企業のEAPの一役を担っている。定期的にオンライン面談を実施している企業もあり、従業員と企業の生産性向上をめざしながらサポートを続けている。社労士は、幅広い能力担保は必要とするが、大変やりがいのある資格者であると今は感じている。
社会保険労務士 奈良事務所 所長 奈良 恵子【香川】
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