【今週の労務書】『これ1冊でわかる 中小企業のHRテック入門』
2023.01.14
【書評】
評価はまずアナログで
副題は「わが社でもできる! 導入から運用まで」。「採用」「定着」「人事評価」に関する業務を中心に、IT化の要諦を詳述している。
初めて評価制度を導入する場合には、まずはアナログな仕組みを構築すべきとした。HRテックは失敗した際に中止したりすることが難しいためだ。自前の制度を何回か運用し、直面した課題を踏まえてから、自社に合うHRテックを選ぶべきとしている。
人事評価分野では、各社の実態に適った運用まで細かく対応できているサービスは少ないという。理由として、開発事業者が人事業務に精通していないことを挙げている。「HRテックの使命とは、アナログな人事をより良く補完すること」と説き、いたずらにデジタル化を急かしておらず、信用できる。
(森中 謙介・町田 耕一 著、あさ出版刊、税込1760円、TEL:03-3983-3225)
令和5年1月16日第3384号16面 掲載