月給10万円で約定 時間額が最賃割る 映像技術業者を送検 神戸東労基署
2023.02.05
【送検記事】
兵庫・神戸東労働基準監督署は労働者2人をそれぞれ月給10万円で雇い入れ、最低賃金を下回る額で働かせたとして、映像技術業の㈱Quattro(兵庫県神戸市)と同社代表取締役を最低賃金法第4条(最低賃金の効力)違反の疑いで神戸地検に書類送検した。同社は令和4年1~2月の2カ月間の定期賃金について、当時の同県の最賃(時間額928円)以上の額で支払わなかった疑い。
同社は2年4月1日に、専門学校からの紹介で2人を雇い入れた。その時点から月給10万円で約定し、所定労働時間から算出した時給が最賃額を下回っていた。確実な証拠を押さえられた期間に絞って立件した。同労基署は、同社も労働者も最賃の存在を知らなかったとみている。
3年12月、最賃の存在を知った労働者の相談により違反が発覚。4年1月に同社に対して是正勧告を出した。同社から報告はあったものの実態として改善がみられず、送検に踏み切った。
同労基署によると、同社はブライダル系の映像制作を請け負っており、コロナ禍により経営難に陥っていたという。ただし、賃金を支払うことができる原資を他の費用に充てていた形跡もみられ、同労基署は「賃金を最優先すべきだった」としている。
【令和5年1月24日送検】