人の成長が業績左右 今こそ頼られる存在に/社会保険労務士法人なか 代表社員 新垣 明
ようやくコロナ禍を脱する時期になってきたかと思っているときに、またしても第8波に突入し、まだまだ予断を許さない状況である。沖縄県においては、とくに観光産業に依存する部分が大きく、新型コロナウイルスの感染拡大は、県経済に相当大きなダメージを与えた。
このコロナ禍においては、顧問先はもちろんのこと、県内各種団体や企業から、雇用調整助成金についての問合せや、手続き依頼など、社労士になって経験したことのないほどの問合せを受けた。県内企業は小零細企業が多く、「労務管理とは何ぞや?」と思われる事業所も数多く見受けられた。
私は、沖縄県社会保険労務士会会長の職にある関係上、感染拡大の兆しが現れたころには、関連の行政機関や商工会、経済団体などから、社労士による支援をお願いされた。
支援要請に応えたいという思いがある一方、当会所属の社労士の先生方がその応援の要請に応えられるだけの人員が足りない状況で、歯がゆい思いをした。
もう一方では働き方改革関連業務の推進もあり、この3年間は公私ともに無我夢中の状態が続いている。また顧問先事業所の働き方改革を進めていくなかで、我われ社労士の働き方改革も重要だと感じている昨今である。急速に進んできたデジタル化の波は、社労士業界においても相当の影響と改革をもたらすものと期待している。
また、コロナ禍においては、社労士としての使命感について相当考えさせられた。医療従事者の使命感あふれる対応を目の当たりにして、大変頭の下がる思いであった。
「withコロナ」の時代に入り、観光客も戻り始め経済が動き出しているなかで、今直面している課題は「人」の問題である。
採用活動を行っても「人」が来ない。このような状況下においては、日頃の労務管理が、これまで以上に重要になってくるものだと強く思う。
また、最近の経営に関する情報などでは「人的資本経営」という言葉が見受けられるようになった。
「人」をコストと捉えるか、資本と捉えるかが経営に大きく影響することが述べられている。「人」の成長、発展こそが企業の業績に大きく影響するものだと思う。
これこそ、まさに我われ社労士の出番であると強く感じている。さまざまな社会情勢のなかで、社労士はいつも頼られる存在でありたいと思う。
そのためにも研鑽を積み、共に切磋琢磨していきたい。
社会保険労務士法人なか 代表社員 新垣 明【沖縄】
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