「小さな旗」で企業導く/鈴木みつこ社会保険労務士事務所 鈴木 光子
社労士事務所勤務を経て、生まれ育った東京都大田区で開業して丸3年が過ぎた。ひとえに私を必要としてくださる関与先企業の皆様、そして前職の所長のおかげだ。
万年受験生の古参職員が、社労士試験に合格した途端に、恩を仇で返すかのように「独立開業したいです」と伝えたのだが、「職員としてのごく当たり前の日常業務こそ、必ずアドバンテージになるから。いきなりホームランバッターになろうと思わないこと。とにかく地道に。自分の伸び代を信じて」と温かく背中を押してくださった。
以前は、旅行会社で企業向けの研修・視察旅行の企画、営業、添乗業務に従事し、国内外を飛び回っていた。人が喜ぶことをしてあげたいという世話好きが高じて、社労士になった現在も、関与先の懐に潜り込むことを心がけている。全面的に私を信頼してくださる関与先の社長の配慮のもと、社員の皆様との定期面談をできる限り行うようにしている。
初めのうちは、どこの会社においても「社労士?社長側の人に本音を言えるわけがないでしょう」と口には出さずとも、顔に書いてあるアウェイな空気の中で面談は行われることになるが、社長の想いと、社長に伝えなければならない社員の皆様の本音をつなぐことができた時はとてもやりがいがある。
大田区は空の玄関口である羽田空港を擁しており、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を前に、今年3月には「国際都市おおた」宣言をしている。
産業交流拠点・多文化共生都市の形成をめざした活気ある大田区の取組みの影響を受けて、外国人経営者が日本国内で起業する際の支援を弁護士事務所と協力しながら積極的に取り組んでいる。また、外国人留学生が勉学と両立できる範囲内での就労環境を整える支援や、通学する学校法人や受入れ先企業への助言・指導なども行っている。
かつては、会社名のついた大きな旗を掲げながら、旅の思い出作りのお手伝いをしていた。現在は、自分の名前が書かれた小旗を、必死にパタパタと振り回しながら日々奮闘している。このまだまだ小さな旗印の周りに集まってくださった関与先の皆様方を導く光となれるように、事務所での勤務時代と通算して社労士業界が節目の10年目を迎えるに当たり、ますます自己研鑽を忘れずに、地道に業務に励みたいと思っている。
鈴木みつこ社会保険労務士事務所【東京】
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