長期的な視点で提案 会社の「想い」掘り起こし/山添社会保険労務士事務所 山添 浩平
開業をして、早いもので8年目になる。社労士業務に従事しながら現在考えていることをご紹介したいと思う。
今は、ネットで検索をすれば色々な情報が手に入る時代である。そのなかで、私がクライアントに提案できるものは何か。それは通り一遍の回答ではなく、会社の想いを聞き、その想いを受けてプロとしてアドバイスすることだと考えている。
AIの進化などにより新たなツールが開発されていたりするため、一般的な回答だけであれば社労士は不要と考える企業や人が増える可能性は高くなる。
しかし、その質問者自身が気付いていない、その人の想いを掘り起こして、提案するのは人にしかできないと思う。またそれは、数多くの会社の悩みを聞いている社労士にしかできないことだろう。そして提案するには、会社と労働者がより良くなるためには何が必要かを常に考え抜かなければならないと思う。
たとえば、就業規則を作る際に、会社の要望を記載するのは当然だが、気付いていない会社の想いを掘り起こし、「こういう方法がある」と提案するように心掛けている。そして短期的な視点ではなく、長期的な視点に立って提案することも心掛けている。
また会社と従業員が争っているといった相談をされた際には、私はその相手の人となりもヒアリングするように心掛けている。
なぜかというと、労務管理の答えは1つではないからだ。会社と従業員が争っている場合、内容は一緒でも言い方1つでさらに悪化する場合もあれば、お互い納得できる場合もある。
私の師匠の口癖は「社労士は感性が大事」であった。その感性を磨くために、本を読み、芸術に触れなければいけないと諭された。
会社と従業員の間で発生する問題は論理だけでは解決できない。人には感情があるからだ。会社も従業員もお互いが1個の独立した尊敬すべき相手として接すれば、ある程度の労使間の問題は解決すると思うが、いかがであろうか。
会社から相談される内容は多岐にわたっており、社長からは経営の悩みだけではなく、それ以外の悩みも相談されることが多い。適切なアドバイスを行うには、社労士に関する知識はもちろんのこと、それ以外にも日々勉強し、知識を蓄え、自分自身の引き出しを増やさなければならない。
そのためにもたくさんの経験を積む必要がある。企業が発展し、従業員の働き甲斐のある会社にするため、私は精一杯努めたいと思う。
山添社会保険労務士事務所 山添 浩平【大阪】
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