【今週の労務書】『労働力減少時代の「もっとよくなる健康経営」 企業が生き残るために経営者が取り組むべき産業医の活かし方』
2023.05.20
【書評】
産業医と課題共有を
産業保健業界で25年間、経営者や人事部門にコンサルティングをしてきた著者が、健康経営の推進と産業医活用の重要性を説いたのが本書である。従業員という資産を健康面で支援することで人的資本の価値、ひいては企業価値を最大化するポイントをまとめている。
多くの企業では、法的な義務だからと産業医を選任しながらも、十分に機能していないとする。健康経営を実効性あるものとするには、まず経営者が「何のために実施するのか」を理解することが大切とした。そのうえで、自社の課題や得たいリターンを産業医と共有し、解決に向けた協力体制を構築することが重要と解説している。
規模・業種の異なる4社の企業事例も掲載し、より理解を深めやすい構成になっている。
(歌代 敦 著、ダイヤモンド社 刊、税込1650円、TEL:03-5778-7240)
令和5年5月22日第3401号16面 掲載