「時代の流れ」に適応 あるべき姿を構築へ/安達社会保険労務士事務所 所長 安達 和生
社会保険労務士の立場でさまざまな業務に携わることで、物事を捉える視点が明らかに変わってきている。たとえば、山を見てその特徴を伝える課題がある場合に、今までは単純にその地点からの山の麓、中腹、山頂付近を眺めることで得た側面だけの情報を基に課題解決しようとしていた。その裏側の状況は当然に把握できないままである。
もし、山全体の情報がないと物事が解決できない課題であれば、少なくとも山頂の真上からの視点で、中腹、山の麓といった全体を見渡す発想を持った上で実現性を検証する行動を起こし、併せて山に対する知識(特徴、等高線、気象など)も的確に持ち合わせて、実現にかかる可否の判断基準を構築しなければならないことになる。
このことは、社会保険労務士としてお客様の人事・労務管理を担当させていただくことにもつながる。その信条としては、的確なメソッドを確立していくことで、お客様との信頼関係を構築していくことを基本としなければならない。
実は、実体験を基に、「編集する力」「持続する力」の大切さについて思い巡らすことがあった。この2つの要用な学びは社会保険労務士、キャリアコンサルタントなどの資格取得の動機付けにも役立っている。経験し、体験し、学んだことは、プラスに活用することで大きな付加価値を生み出す可能性がある。
近年、各種セミナーなどでの「日本の人口の推移」の説明箇所で、無意識に力が入ってしまうことがある。人口オーナス、少子高齢化、労働力人口の減少、次世代育成・両立支援、女性活躍推進、男女参画社会の進展、高年齢者雇用の保持進展、技能実習・特定技能外国人の定着、労働生産性・GDPなど、枚挙に暇がない。
「じゃあどうするの? どうすれば良いの?」と問われたときに、今や国内基準だけでなくグローバル基準での課題解決につながる施策を提案することで、真の重大性に気付かされる。このように、社会科学的な局面で仕事の本懐を遂げることは私自身の成長となる。
最後に、私個人の主な課題として、時代の流れを敏感に感じ取り、適応できる力を身に着けていくことで、社会に貢献できる自分づくりが重要と感じている。さまざまな物事に適応できるように実効性を確保し、労働関係に携わるプロフェッショナルとしての社会保険労務士の「あるべき姿」を構築していくことが必要不可欠である。
つまりは、混沌とした時代に必要とされる社会保険労務士でありたい。
安達社会保険労務士事務所 所長 安達 和生【島根】
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