【ひのみやぐら】工夫凝らし休憩所を快適に
夏本番!――ということで、熱中症の予防・対策に本腰を入れて乗り出さなければならない季節の真っ只中だ。本稿では柱となる対策のひとつである休憩所の設置について考えてみたい。「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施要項では、「作業場所の近くに冷房を備えた休憩場所又は日陰等の涼しい休憩場所の確保を検討する」と明記されており、「休憩場所には、氷、冷いおしぼり、水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことできる物品及び設備を設ける。また、水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行うことができるよう飲料水、スポーツドリンク、塩飴等の備付け等を行う」としている。
大規模な現場ならまだしも、規模が小さい場合、設置場所が限られるという問題がある。また、休憩所の設置にはコストがかかる。必要と分かっていても、二の足を踏んでしまいがちだ。
建設資材のリース会社でレンタルしているような熱中症対策専用テントやプレハブが設置できればいうことはないが、工夫次第で快適な休憩所を設けている企業はたくさんある。作業員からもアイデアを募り、現場が一丸となって休憩所造りを進めたい。
差し当たり、テントやパラソルの屋根、長椅子、ミスト付き扇風機などの冷却機器があれば、簡易的な休憩所ができる。あまり費用をかけなくとも、上手に設置して、狭い場所でも効果的に利用したい。さらに、ガードマンボックスやワンボックスカーを使って、休憩所とすることも可能だ。
また、作業員同士のコミュニケーションを図る場としても休憩所の存在は重要だ。体を休めることも大切だが、より効果的な休憩とするためにも、心の疲れを癒やす工夫があると良いだろう。今号特集Ⅰで紹介する江口組では、休憩時間にスタッフが訪問し、現場で働く作業員にかき氷を振る舞っている。さらにテントで作った休憩所を「熱中症対策カフェ」と名付け、いつでも水分補給できる場所とした。カフェは作業員の憩いの場になっているという。
炎天下の中で仕事をする作業員にとって休憩所はまさに「オアシス」。工夫とアイデアで、リフレッシュできる場所としたい。