今こそ活躍の好機に 魅力ある職場づくり支援/社会保険労務士法人コーチジャパン 所長 田畑 茂
社労士事務所では、独占業務である1号(手続き代行)および2号業務(帳簿作成)を主な業務としているところが多いと思われる。
今この社労士の独占業務である1号・2号業務(あっせん業務は除く)が脅かされている。ある有名な研究機関の調査によれば、国が推し進めるデジタルガバメント構想やAIなどによって2030年ごろには、社労士の業務の79%が自動化されるそうだ。
そうなれば、あっせん業務以外の独占業務が縮小するかもしれないという危機が訪れるといわれている。しかし私は、逆にこれからビッグチャンスが訪れると思っている。
それはなぜか。国が進める一億総活躍社会の実現に向けた「働き方改革」なるものがあるからだ。
この目標・目的は、「魅力ある職場づくり」→「人材の確保」→「業績の向上」→「利益増」という好循環のサイクルを企業において回すために、働き方改革を通じて「魅力ある職場を作り上げる」ことだといわれている。
そして、魅力ある職場づくりという分野に一番身近で、その力と能力を発揮できるのは、「社労士」しかいないのである。
AIの台頭を含め、国のデジタルガバメント構想によって独占業務が縮小したとしても、社労士業界に大きな危機が訪れるということではなく、大きな果実を掴むチャンスを国が用意してくれているということである。
「魅力ある職場を作り上げる」という企業の命題を達成できるよう、社労士には企業に寄り添って取り組み、力を発揮することが期待されている。魅力ある職場づくりを成功させるために、今がまさに「社労士」の出番である。
たとえば、我々社労士は「経営労務監査」という手法に磨きをかけることが重要だ。社労士以外にはたどり着くことができないほどに高度に進化させ、同監査を通じて各企業の人事労務環境のチェック・棚卸しを隅々まで行う。さらに、評価・格付けを行い、課題を炙り出す。そして、その課題を解決するための方策、方向性、道筋を社労士自らがしっかりと示していく。企業トップとともに先頭に立って、その企業に常に寄り添い、一緒に伴走して解決し、魅力ある職場を作り上げていくことこそが、これからの社労士に求められる大きな役割だと考える。
そして、ここにこそ、ビッグチャンスが潜んでいると感じている。このチャンスを掴み取り、未来を明るいものとするために、これからも精進したいと思っている。
社会保険労務士法人コーチジャパン 所長 田畑 茂【長野】
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