「経験」はすべて財産 職場環境改善に活かす/フェニックス人事労務サポートオフィス 代表 伊藤 隆夫

2023.07.16 【社労士プラザ】
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フェニックス人事労務サポートオフィス 代表 伊藤 隆夫 氏

 かつて食品メーカーの会社員だった私が、社会保険労務士として独立開業しようと決意したのは、2008年。きっかけは、妻が亡くなったことだった。

 当時、上の子は15歳、下の子はまだ2歳だった。近所に両親もおらず、会社に配慮をしてもらい、自分一人で子供たちの世話をすることになった。しかし、思うような仕事ができず、かえって後ろめたさだけが募っていった。

 いっそ会社を辞めて自分自身で仕事をコントロールできるようなことをやろうと思い立ち、独立できそうな資格として社会保険労務士があることを知り、資格取得に挑戦した。

 仕事、家事、育児と日々やることが山のようにある中での試験勉強だったので、勉強ははかどらなかったが、何とか4回目の試験で合格することができた。

 合格後、1年間の準備期間を経て、16年に独立開業に踏み切った。食品メーカーでは、工場での現場仕事や品質管理、商品開発、生産管理など、主に製造にかかわる仕事をしていたが、給与計算や手続きなどの社会保険労務士業務にかかわる人事労務の仕事はしておらず、全く実務経験がない中での無謀な独立開業だった。しかし、ありがたいことに開業当初からお客様に恵まれ、現在に至っている。

 開業してから気付いたことだが、それまでに経験した工場での現場仕事や生産管理業務などが大きく役立っている。というのも、工場での現場仕事というのは、多くの人たちを動かす労務管理が必要だったからだ。

 おまけに、仕事の目標は、製品製造における歩留まりや能率をいかに向上させるかだったので、今でいうなら、働き方改革における生産性向上対策をずっとやっていたということになる。

 さらに、現場では少なからず労災事故も発生するので、労働安全衛生への対策も必要であり、安全パトロールや労働安全衛生マネジメントシステムの構築などの実務も行っていた。こうしてみると、過去に経験した仕事が、ずいぶんと現在の仕事に生きていると実感している。「経験したことはすべて財産」となり、必ず役に立つ。

 仕事・家事・育児をワンオペで経験しその大変さと周りのサポートの有難さを痛感したことを踏まえ、今後も企業の職場環境の改善や人材育成、ワーク・ライフ・バランスの支援などを行うことにより、従業員のエンゲージメント向上に向けた職場環境づくりが推進され、企業が持続的な成長をできるよう、サポートしていきたい。まさに「経験したことはすべて財産」なのだから。

フェニックス人事労務サポートオフィス 代表 伊藤 隆夫【東京】

【公式webサイトはこちら】
http://phoenix-jsp.com/

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令和5年7月17日第3409号10面 掲載
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