【今週の労務書】『イーロン・マスクの全員出社の決断は正しかったのか? テレワークかそれとも出社か? 日本の経営者は生産性が向上する「勤務形態」を早急に構築せよ』
2023.07.15
【書評】
日本型雇用が弊害に
5月8日に新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが5類に引き下げられた。引下げと同時に、テレワークから出社に切り替えた企業も多いだろう。
本書はアンケート調査などをもとに、テレワークが企業や労働者にとってプラスなのかマイナスなのか? という疑問に答えている。結論としては「プラスにもなれば、マイナスにもなる」という。マイナスになる理由としては、メンバーシップ型の日本型雇用による弊害を挙げた。メンバーシップ型の下では、上司がジョブを区分けし、部下に指示することに慣れておらず、生産性が下がるとしている。
改革の方向としては、採用・配置権限の現場委譲を掲げた。専門性が求められる時代には、一括採用では対応できないと強調している。
(岩本 晃一 著、ビジネス教育出版社 刊、1650円、TEL:03-3221-5361)
令和5年7月17日第3409号16面 掲載