顧問先と従業員つなぐ 社労士会の会員間も/あおば社会保険労務士事務所 所長 加賀谷 勉

2023.08.06 【社労士プラザ】
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 社労士になり24年。この9月で独立開業から18年が経つ自分を振り返りたい。大学卒業後、大手アパレル婦人服メーカーで営業職をしていた自分は、多くの方々に支えられて社労士として毎日を過ごしている。

 バブル崩壊後、労働組合から、指名解雇に対して会社と交渉するために資格を取るよう言われたのがきっかけで社労士資格を取得した。しかし時が経過し、会社の経営がさらに悪化、労働組合内では自分が役に立つ機会がない状況だった。会社の早期退職制度もあって上司や先輩が次々に退職していくなか、会社での将来の見通しが立たないと判断した。「そうだ。せっかく取得した資格。今回の経験で会社と人との懸け橋になりたい」との気持ちが強くなった。

 登録するため大阪社労士会を訪れた際、大きな出会いがあった。専務理事からは「営業出身は珍しい。欠員のある社労士事務所で頑張る気持ちがあるか?」とお声掛けをいただき、大阪会の要職にある方の事務所でお世話になった。

 その事務所では6年間勉強し、退職。就職活動がうまくいかない様子を見ていた妻からの「自分でやってみろ。駅前で事務所を借りて頑張らんかい」の一言で開業する決心をした。

 開業当初、1社も顧問先がない状況で1800件の飛び込み営業を行ったり、経営者団体に加入して自分を売り込んだりして、毎日を必死に過ごした。「近くで開業したのでご挨拶に来ました。ご縁があれば宜しくお願いします」と名刺と業務案内を渡すやり方に変更し、顧問先が増加した。

 しかし、人生の転機が訪れる。今から15年前、40歳になる30分前、自宅でテレビ番組を見ているときに突然、12分間心肺停止した。意識不明の状態が3日続いたが、自宅近くの脳がメインの総合病院において、心臓が原因ではないかと言われ、国立循環器病研究センターに転院した。

 その間妻が、日頃お世話になっている支部長と諸先生方に相談していた。 

 私はブルガダ症候群の不整脈と診断され、ペースメーカーの装着手術を受けることになり、1カ月間入院。その後、無事に退院でき、すべての顧問先が待っていてくれた。今、仕事ができるのはこの時にS先生がつないでいただいたからであり、感謝の気持ちで一杯だ。

 現在は大阪会で厚生委員長を仰せつかり、前の事務所の代表や当時の専務理事にご挨拶ができたことがうれしかった。顧問先と従業員のほか、大阪会や支部では厚生事業で会員の皆様をしっかりつないでいきたいと改めて心に誓う。

あおば社会保険労務士事務所 所長 加賀谷 勉【大阪】

【連絡先はこちら】
〒577-0016 大阪府東大阪市長田西5-5-3

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令和5年8月14日第3412号10面 掲載
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