【書方箋 この本、効キマス 大矢 博子選集(2023年上半期)】『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』『ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来』『家康』ほか
労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2023年の上半期に公開した大矢博子さんご執筆のコラムをまとめてご紹介します。
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』アガサ・クリスティー著
労働新聞でクリスティー? と意外に思われるかもしれない。確かにクリスティーといえば名探偵が登場する本格ミステリーが中心で、労務や社会問題には縁が薄いイメージがある。…
『ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来』南原 詠 著
俗に八士業と呼ばれる仕事がある。税理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、弁護士、弁理士、社会保険労務士、海事代理士だ。法律や会計に携わるこれらの仕事は専門性と公益性が高く、国家試験の困難さでも知られている。…
『家康』安部 龍太郎 著
大河ドラマ『どうする家康』が毎週楽しくて仕方ない。家康といえば老獪なイメージが強かったので、松本潤さん演じる若くて頼りない家康が実に新鮮だ。…
『わが殿』畠中 恵 著
春は労務や人事担当者にとって、新入社員の入社、査定や昇給、それが終われば社会保険料の算定と忙しい時期だ。個人事業主にとっても春は税金と社会保険料の季節である。…
真面目で責任感があり、約束をきちんと守る。それは社会人として当然――のはずだ。しかしそんな真面目な人の方が、往々にしてストレスを溜めやすい。まあ良いか、という考え方ができずに、自分を(時には他人をも)追い込んでしまいがちなのである。身に覚え、ありませんか?…
『ひむろ飛脚』山本 一力 著
江戸時代、加賀藩の参勤交代は今の北陸新幹線とほぼ同じルートを辿っていたのだそうだ。金沢を起点に北陸道を越後まで行き、北国下街道に入って信濃、上野を通り、武蔵、江戸へ至る。その距離、およそ570キロ。…
2023年下半期は、こちら。
選者:書評家 大矢 博子(おおや ひろこ)
88年、民間気象会社に入社。96年に退職後、書評家に。著書に『歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド』(文春文庫)など。