全国の仲間が財産に 心に残る助言「人が全て」/ラコス社労士事務所 代表 緒方 幸治
AIの進歩によるリソース最適化や働き方の多様化、メンタルヘルス管理、リスキリング、リファラル採用など用語もさることながら、近年、対応するアドバイスも複雑化の一途を辿っている。また目まぐるしく移り変わる世界情勢、技術、経済に伴い、支援する企業の人事労務管理、加えて社会保険労務士の業務についても大きく変化していくことは予想に難くない。
ヒト・モノ・カネの経営資源においてヒトが最も重要であることは言うまでもなく、日本の人口減少に対応した手法や考え方を専門家として日々学ぶこと抜かりなし――などというと聞こえは格好良く、最近では引く手あまたの花形職業のように捉えられるようになった社会保険労務士。生まれてから半世紀を迎える今年、改めて自分の職業とその未来について考える時間が多くなった。
社長を支える仕事がしたい、経営者になりたいという強い想いから、資格受験して2007年に独立開業、未経験に等しい力量の中での静かな社会保険労務士デビューをして17年目に入った。
経営者を支援する仕事なのだから、自分自身も経営者に近付こうと、すぐに金融機関から事業融資を受け、事務所を賃貸し、労働者を雇用、労働社会保険の適用事業主になるという形から入ることから始めた。その後、さまざまな出来事、喜びも悲しみも紆余曲折もあった。
気付けば所属する大分県社会保険労務士会の副会長および研修委員長を仰せつかり、グルメと旅行が好きな私は全国行脚し、各地に同業の仲間が多くできた。
これは私の中で社労士になって良かったと思える成果の一つである。全国どこに行っても社労士という共通の資格を皮切りに旧知の仲のようになれる、一気に距離が近付く。たとえば私の住む田舎の都市において社労士業務を独自展開すると独りよがりになりがちだ。そこを払拭するためもあり、全国の同業の仲間作りに注力し、さまざまな地域における業務の取組み方、支援の現場、耳よりな情報、おいしい食べ物、事務所訪問など、どれも社労士実務を行うに当たり、無駄なものなど一つもない。
地元の経営者団体に所属し、金融機関や他士業との関係作りに奔走と、経営者や他業種の知り合いも増えた今、どんなにAI技術の進歩があっても、人と人との交流、つながりは最も重要なこと。社労士デビューした頃、顧問契約第1号の重鎮社長に言われた「どこまでいっても詰まるところ人が全てや、人をもっともっと好きになれ!」という助言が今でも心に残る。
ラコス社労士事務所 代表 緒方 幸治【大分】
【公式webサイトはこちら】
https://www.lacos-group.com