【今週の労務書】『IPOを本気で目指す企業のための労務管理』
2023.09.16
【書評】
賃金計算のミス防止に
株式上場(IPO)審査では、勤怠管理や36協定違反の状況などを確認する「実質審査基準」を通過しなければならない。労務顧問として19社のIPOを実現させた社会保険労務士の著者が、上場審査を通過するための視点から、労務管理のポイントを解説する。
審査では、未払い賃金の発生状況が重要視されるという。法令違反の状態にあったというコンプライアンス上の問題だけでなく、財務諸表や業績にも影響を及ぼすからだ。本書では未払い賃金を発生させないために、歩合給における残業代の考え方など、賃金計算のミスを防ぐ方法を詳述する。万が一、未払い賃金があった場合の精算の流れや、従業員からのクレーム対応の方法も紹介する。
(葉山 憲夫 著、幻冬舎メディアコンサルティング 刊、税込1760円、TEL:03-5411-6222)
令和5年9月18日第3417号16面 掲載