【今週の労務書】『社労士のための労働事件 思考の展開図』
2023.10.14
【書評】
士業の連携が必須に
使用者側弁護士が社会保険労務士に向けて書いた一冊。顧問先で労働事件が起きた際に、どのように解決に導けば良いのかを伝授している。
著者が強調しているのは、これからの時代に士業が経営を支えていくためには、士業同士が垣根を越えた協力体制を築く必要があるということ。弁護士が労働事件と向き合うとき、どのように思考を展開していくのかや、どのようなマインドセットで対峙しているかを示し、社労士に理解を求めている。
顧問先企業が選任した弁護士とのコミュニケーションについては、「弁護士だから」と物怖じせず、積極的に意見を求めるべきとした。鬱陶しく思われるようであれば、「その程度の弁護士だった」と諦めるべきとしている。
(島田 直行 著、日本法令刊、2420円、TEL:03-6858-6967)
令和5年10月16日第3421号16面 掲載