【ひのみやぐら】冬季の健康障害に注意を

2023.12.26 【ひのみやぐら】
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 積雪や凍結が原因の転倒や交通事故、空気の乾燥による静電気や火災、暖房器具の不具合で起きるCO中毒など寒冷期特有の災害は意外に多く、管理監督者は未然防止のための措置を講じていく必要がある。

 また、災害だけではなく労働者に対する健康への配慮も重要だ。冬季は風邪、インフルエンザなどのほかにも脳疾患、心疾患が発症しやすい季節でもある。急激な温度差による血圧の変動で脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」は、この時期、テレビや新聞のニュースでよく聞くところだ。自宅では浴室やトイレで起きやすいが、職場でも暖かい部屋から、寒気の厳しい屋外などへの移動時は気をつけたい。特に高齢者は血圧の数値の高い人が少なくない。職場に高齢者が増えていくなか、血圧の変化で起きる健康障害に注意が必要だ。

 血圧の高い作業者に対しては日ごろから目の動き、身体の動き、話し方などを観察し、異常の有無に注意を払いたい。脳疾患の場合、急激な頭痛や吐き気がする、めまいがして物が二重に見える、手足がしびれる、ろれつが回らなくなるなどの体調の変化がある。心疾患では、胸が締め付けられる、胸が焼け付くような感じになる、などの前兆が見られる。

 このような症状が現れてきたときには、すぐに作業を中止して、医師の診察を受けさせる。対応が遅れたために、死亡となった例もある。発症者の発見が遅れないように、一人で作業をさせないようにするのも一案だ。

 日ごろから冬場の健康障害を未然に防ぐために、管理者はグループごとのミーティングの場で、相互確認をするよう求めたい。作業開始前の健康KYも有効だろう。

 また、朝礼時にはラジオ体操や軽いストレッチを行うことによって、体をほぐし温めておく。健康面の効果だけではなく、安全意識を高め、とっさの危険も回避できるようになる。

 「冬季うつ」などの症状も問題視され、冬はあまり健康によい季節とはいえない。一人ひとりの健康意識を高める教育などを実施し、厳しい冬を乗り切っていきたい。

2024年1月1日第2441号 掲載
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