【安全衛生・お薦めの一冊】『建設現場におけるヒューマンエラー防止対策事例集[改訂第2版]
2023.12.26
【書評】
原因を分析し対策を紹介
建設業界では、機械化・無人化などハード面の強化が進んでいるが、依然として労働者の不安全行動が原因の災害が後を絶たない。背景には未経験者や外国人の増加、高齢化などの課題が挙げられる。
本書は平成24年に第2版を出版したが、災害内容が多様化しヒューマンエラーもより効果的な対策が表れてきたとして整理、改訂したもの。災害内容については建設労務安全研究会の会員から新たに120件の事例が寄せられ、30件に絞り込んだ。さらに効果が期待できる38の対策事例も掲載した。
災害事例は「背後から接近した作業員にバックホウキャタピラが接触」「はしご昇降時、はしごが傾き墜落」などを紹介。原因を分類し再発防止策を示した。対策事例では「ヒヤリハット事例収集アプリの開発と事例の活用」「外国人労働者に対する母国語での安全衛生教育」などを掲載している。
イラストや写真がふんだんに使われて、理解しやすい。
(建設労務安全研究会編、労働新聞社刊、TEL:03-5926-6888、A4判/100ページ、税込1650円)
2024年1月1日第2441号 掲載