【今週の労務書】『スタートアップのための人事制度の作り方』
2024.01.27
【書評】
行動評価で価値観浸透
本書ではスタートアップ企業を、「社会的な常識や慣習をより良い方向へ導くことなどを理念に掲げる急成長企業」と定義する。人事制度の導入によって得られる効果として、メンバーやマネージャーが経営陣の掲げるビジョンやミッションを意識するようになる点を挙げている。評価基準や評価指標に沿って組織と個人が動くようになると指摘する。
ミッションなどをより具体化した「体現すべき価値観=バリュー」の浸透には、行動評価が役立つと強調し、その評価基準は「平易短文」で書くべしとした。チームワークに関しては「失敗を責めない」「建設的に批判する」などと例示する。副題『キャリア開発を促し、自社のバリューを浸透させる』の極意が、ここに現れている。
(金田 宏之 著、翔泳社 刊、税込2420円)
令和6年1月29日第3434号16面 掲載