【今週の労務書】『フリーランスの働き方と法』
2024.02.03
【書評】
現状と論点の理解に
700ページを超える大著。第1部ではフリーランスの働き方の実態と法政策の現状、第2部では個別の論点を深掘りし、今後の法政策や法解釈のあり方を考察している。
注目すべきは第2部8章のプラットフォーム就業に関する検討だろう。従来から議論され、裁判にもなってきたプラットフォーム就業者の労働者性の問題に加え、プラットフォーム事業者と職業安定法の関係についても解説している。具体的には、プラットフォーム事業者と募集情報等提供事業の区別や募集情報等提供と職業紹介の境界、フリーランス新法の適用範囲により生じる規制の抜け穴の問題などを盛り込んだ。
今秋のフリーランス新法の施行に備え、1冊手元に置いておくと安心だろう。
(鎌田 耕一、長谷川 聡 編、日本法令 刊、税込5940円、TEL:03-6858-6967)
令和6年2月5日第3435号16面 掲載