【人材ビジネス交差点】存在感増す紹介業界/(株)ヒュープロ 代表取締役 山本 玲奈
矢野経済研究所の調査結果によると、2023年度、人材市場は9.9兆円に達する見込みであり、そのなかで人材紹介業界は3000億円を超え、年間18%以上の成長をみせている。
市場の著しい成長の理由の1つは、昨今、採用に成功している企業が人材紹介企業と上手な付き合いをし、有効活用できているためと言っても過言ではない。どのように人材紹介企業と付き合っていくと良いのかが、採用において大きなテーマになりつつある。
人材紹介の効果的な活用方法は、主に3つあると考える。
1つ目はコミュニケーション頻度を増やすことだ。
採用を比較的スムーズに行うことができている企業は、人材紹介企業との継続的なコミュニケーションを取っている。人材紹介企業から定期的に情報提供を受け、求人情報を適宜改善することにより、良質なマッチングを促進することが可能になる。人材紹介企業との定期的なコミュニケーションは、多くの候補者の紹介を受けるための大きなポイントである。
2つ目は、人材紹介企業の選び方だ。
民間職業紹介事業者数の増加に伴い、市場はより競争が激しくなっている。このような環境下で人材紹介企業自身の、転職候補者の獲得難易度は上がっている。そこで、転職候補者に選ばれる理由を持っている人材紹介企業との密接な関係構築も大切なポイントの1つである。
たとえば、特定業界に特化した人材紹介企業は業界に精通しているため、転職候補者が望む業界特有の情報やアドバイスを提供することができる。
このような転職候補者に選ばれる明確な理由を持っている人材紹介企業を選ぶことも重要である。
3つ目は、企業からのポジティブな情報の共有をすることだ。
人材紹介企業は、面談をする転職候補者から企業への応募意思を獲得する。そのため、人材紹介企業が、常に応募意思を獲得しやすい環境を作ることも大切である。たとえば、人材紹介企業が、転職候補者に展開しやすい企業の説明資料を共有することも有効である。このように、人材紹介企業が、応募意思を獲得しやすくする視点を持って転職候補者に対して情報提供していくことは、良い効果を生む。
今後、人材紹介市場のさらなる成長とともに、企業と転職候補者を結ぶ、人材紹介企業や転職エージェントの役割は、より重要になると予測される。企業は、人材紹介企業を、長期的な採用パートナーとして位置付け、ともに成長をめざしていくことが採用のポイントとなっていくだろう。
筆者:(株)ヒュープロ 代表取締役 山本 玲奈
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