【ひのみやぐら】フォーク作業では危険予知を

2024.02.27 【ひのみやぐら】
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 物流センター、製造工場、建設現場と幅広い場面で使われるフォークリフト。大型の車両から小回りの利くリーチフォークリフトなどさまざまな種類がある。荷取りや積込み作業では、クレーンよりも狭い場所での運搬が容易で、便利だ。

 一方で、多くの現場で使われているからこそ、フォークリフトに起因する労働災害が後を絶たない。作業中に運転者が段差や高所からフォークリフトごと落ちてしまうケースや旋回をした際に傾斜で車体が傾き、地面との衝突で運転者が投げ出され、倒れてきたフォークリフトに挟まれるというような事故が見られる。また、フォークリフトが後進していたところ、周辺にいた作業者に気が付かずにひいてしまうなど、人と接触する災害が報告されている。

 便利である反面、フォークリフトは取り扱い方によって、死亡災害が起こる可能性がある。言わずもがな作業に関わる一人ひとりがルールを守って仕事に当たることが重要だ。車体の始動前に点検を行い、周囲に人や障害物がないことの確認など決められたルールを順守して安全作業を徹底しなければならない。

 さらに、想定外の場面で事故が起きていることから、常に危険予知を働かせることも有効といえる。フォークリフトの運転者であれば、後進するときに「周囲に作業員がいるかも知れない」、旋回する場合は「車体が傾くかもしれない」などと危険の可能性を頭に思い浮かべながら作業をするようにしたい。周囲で作業する人ならば「もしかして、自分が見えていないのではないか…」などとアンテナを働かせて事前に危険を回避する。

 「毎日、繰り返しの作業なので、皆は作業を分かっている」「走行路に人が立ち入るはずがない」などと自分勝手に思い込むと、危険感受性が鈍り危険だ。往々にして災害が起きるときは「自分だけは災害に遭うはずがない」と思った瞬間だろう。

 フォークリフトに限った話ではないが、毎日、繰り返しの作業や運転への「慣れ」が原因で災害に至るケースが目につく。「大丈夫だろう」と油断をすることなく、ルール徹底と危険予知を働かせて、作業に当たることが肝要だ。

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2024年3月1日第2445号 掲載
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