求められる事務所革新/伊藤社会保険労務士事務所 代表 伊藤 彰彦

2024.04.21 【社労士プラザ】
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伊藤社会保険労務士事務所 代表 伊藤 彰彦 氏

 昭和63年の第20回社会保険労務士試験に合格し、平成2年4月1日より正式に社会保険労務士事務所を開業した。早いもので、来年は開業35周年を迎えることとなる。現在若手を中心にプロジェクトチームが組まれ、35周年記念事業をいろいろ検討してくれており、今からワクワクしている。

 振り返ると、私が社会保険労務士試験を受けていた当時は、まだコンピューターが一般企業に普及されず、手書きでの書類作成が普通であった。

 そんななか、PC98というMS-DOSを搭載したコンピューターが登場し、世間に時代の変革を感じさせる兆しが生まれてきた。ちょうど昭和62年に労働基準法が改正されて週40時間制が謳われるようになった頃だったので、知り合いの社長さんから、顧問契約はできないけれど、うちの就業規則を見直してくれないか、という依頼をぽつぽついただくなど、開業当初から大変恵まれていた。

 当時、ほとんどの先生方が作成された就業規則は手書きのものであった。かなり進んでいる先生でもタイプライターで作られていた。私は開業時からシャープのペン書院という初期のワープロを使って作成していたので、お客さんからたいそう驚かれた。

 また、開業後30年以上のなかで、数多くの方と出会い、とくに、受験勉強時代にお世話になった先生方とのご縁は、私のキャリアにおいて深い影響を与えてくれた。

 受験勉強時代に苦手だったのは、国民年金法と厚生年金保険法。専門学校の担当講師が私の開業2年目に不慮の事故に遭い、急遽私に代理の講師依頼があった。苦手意識があるなかで教えることは、胃がキリキリ痛くなるほどのプレッシャーではあったが、そのときの経験が法律の学びと理解に深みを与え、他の法律解釈にも大いに役立つことを教えてくれたと感謝している。

 また、講師として私を専門学校へ推薦してくださった先生とは、20年以上にわたって勉強会や仕事の共同受注などでお世話になった。

 苦手だった年金法の講師の仕事を通じて、金融機関から年金相談やセミナーの依頼が舞い込んできた。これによりさまざまな分野で活躍する方々との新たな出会いが増え、私は「お客さんに頼まれればノーと言わない」ことを心掛けるようになった。

 令和に入り、AIが盛んに騒がれているが、ちょうどコンピューターが普及し始めた当時と似ていると感じる今日この頃、積極的にAIを活用できるような事務所の革新が求められていると感じている。

伊藤社会保険労務士事務所 代表 伊藤 彰彦【静岡】

【公式webサイトはこちら】
https://www.roumu-110.co.jp/

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令和6年4月22日第3446号10面 掲載
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