【今週の労務書】『ジョブ型・マーケット型人事と賃金決定』
2024.04.27
【書評】
米英の主流を解説
副題は「人的資本経営・賃上げ・リスキリングを実現するマネジメント」。日英の賃金制度の比較などをしてきた大学教授による1冊で、国内外の企業の事例を多数掲載する。
ハイライトは、この20~30年の間に米英で主流となってきた「マーケットプライシング型賃金決定方式」の詳細に関する解説だ。一つひとつのジョブについて、外部労働市場を参照して賃金レベルを決定する方法で、従来の方法では採用およびリテンションにおいて対応できなくなったため普及してきたと指摘する。
通読すると、日本型人事の企業とジョブ型人事の企業における人事部の仕事内容が丸っきり異なると痛感せざるを得ない。本気でジョブ型人事をめざすならば、人事担当者のリスキリングも欠かせないだろう。
(須田敏子 著、中央経済社 刊、税込3190円、TEL:03-3293-3371)
令和6年5月6日第3447号16面 掲載