【今週の労務書】『会社や社員が犯罪に巻き込まれたときどうする?――小さな事件からITセキュリティまで警察への依頼の仕方』

2024.06.29 【書評】
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相談記録が客観証拠に

 社員のストーカー被害、社内の窃盗、社員の逮捕など、被害・加害問わず会社で起こり得る多様なケースについて、元警察官の著者らが警察への効果的な相談方法を解説する。

 たとえば「電話対応中に暴言を吐かれ、会社に火を着けると言われた」事件では、「警察に被害を届け出て相談記録を残してもらう」ことを勧めた。継続的な被害発生を示す客観的な証拠になるため、被害が深刻化した場合、警察が速やかに対応してくれる利点があるとした。

 事件捜査に至った場合の、供述調書の対応にも触れる。丸1日を要することもある調書作成を短時間で済ませる方法や、聴取当日の流れも紹介。社員が調書作成に協力する事態になったとき、役立つ内容だ。法務も担う人事担当者には一読を勧めたい。

(海老谷 成臣、林 秀人 著、技術評論社 刊、税込2200円、TEL:03-3513-6150)

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令和6年7月1日第3455号16面 掲載
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