【ひのみやぐら】持病を持つ人には特に注意

2024.07.09 【ひのみやぐら】
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 厚生労働省の「令和5年職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)が発表された。その結果、昨年の熱中症の死傷者は1106人で、そのうち死亡者は31人に上った。過去10年で最も多い死亡者数で、死傷者数は平成30年の1178人に次いで2番目の多さとなっている。

 厚労省の発表した死亡者31人のうち、60歳代以上は11人。50歳代以上も含めると19人と半数以上を占めており、高年齢者に注意が必要なのが分かる。また、死亡者のなかには糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼす疾病や所見のある事例は12件あったという。

 厚生労働省では5月1日~9月30日までを「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」と設定しており、職場での熱中症予防を図るよう、災害防止団体や事業場に呼びかけているところだ。今年実施するキャンペーンでは、糖尿病、高血圧症など持病のある人について、とくに配慮を求めている。このほかにも、心疾患、腎臓病、精神神経系、皮膚疾患などを抱える人も熱中症にかかりやすい。こうした持病のある人は高齢者に限ったものではないが、少なくないのは否めない。

 管理監督者として重要なのは、労働者の持病・服薬の有無を作業前に必ず確認することだ。服薬がある場合には、薬を飲んだのかチェックする。薬を飲み忘れて体調が変化し、熱中症を誘発してしまう事例も報告されているという。同じ作業条件下でも、持病のある人には注意深く健康状態を確認しておく必要がある。

 熱中症は日中、体調に問題がなくとも時間が経ってから急変することがある。毎日の体調確認や身体が優れないときは速やかに病院で受診するなど、日ごろから態勢を整えておくことが大切だ。熱中症にかかりやすい人がいれば、なおさらのことといえよう。

 今号の特集Ⅱでは、東京労働局の熱中症予防の取組みを紹介しているが、同労働局でも持病を持つ人に対して配慮を行うよう求めている。暑さ真っ只中となったが、予防の取組みとともにWBGT値の計測、休憩所スペースの設置、塩・水の常備などさまざまな対策を充実させて、緊急時に備えたい。

2024年7月15日第2454号 掲載
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