【今週の労務書】『ハードクレームから従業員・組織を守る本』
2024.07.06
【書評】
“合図”決めて孤立防ぐ
本書では、大手小売業で店長やエリアマネージャーを務めた経験を持つ筆者が、従業員の休職や退職につながる「ハードクレーム」への対処方法を解説している。ハードクレームとは、商品やサービスとは関係のないことを持ち出して延々と従業員を困らせる「特殊クレーム」、金銭の要求や業務妨害などの意図がある「悪意クレーム」の総称とした。ハードクレームに「死ね」などの言動が伴うものが、カスタマーハラストメントに当たるとしている。
対処としては、従業員を孤立させないチームワークが重要と強調した。迷惑客の対応中は名札を外して机に置くなど、仲間同士だけで伝わる合図を決め、30分経過したら別の従業員が交代するルールを作るよう勧めている。
(津田 卓也 著、あさ出版 刊、税込1650円、TEL:03-3983-3225)
令和6年7月8日第3456号16面 掲載