【人材ビジネス交差点】まねされる就業規則に/㈱ネオレックス 代表取締役社長 駒井 拓央
当社は、名古屋に本社を置くITベンチャー企業である。主力事業のクラウド勤怠管理システム「キンタイミライ」は、大規模で複雑な勤怠管理を必要とする西武グループや、IKEA、ヤマト運輸などにご利用いただいている。2017年には、メンバー(社員)の幸せを目的とした経営が評価され、第7回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で審査委員会特別賞を受賞した。
そんな私たちは今「まねされる会社」をめざしている。急成長や過大な収益を目的としない私たちが、巨大企業になることはない。つまり単独で世の中に大きな影響を届けるのは、難しいと考えている。
だが、私たちが素晴らしいサービスを作り、素晴らしい会社になり、メンバーが幸せなら、私たちをまねてくれる会社が出てくるはずだ。そうすれば小さなネオレックスという会社でも、世の中に大きな影響を届けることができる。
そんな私たちが現在取り組んでいるのが「まねされる就業規則」作りだ。数年前までの当社の就業規則は、いわゆる法律や契約書特有の言い回しで、会社がリスクを負わないことを目的として書かれていて、自分たちの理想とはほど遠いものだった。
そこで私たちは「メンバーにしっかり寄り添った就業規則にできれば、メンバーの幸福度は上がり、新卒の学生にもネオレックスの考え方を知ってもらえる。そしてなによりメンバー全員が誇りを持てる」――そんな風に考えたのだ。
もともと当社には、フレックスタイムやテレワークなどの自由度の高い働き方に加え、月2万5000円の子ども手当に代表される手厚い手当があったほか、「部下・指示・やらせる」という言葉を使わず「社長も役割の一つでしかない」という企業文化が育っていた。
企業側のリスクヘッジのためにあるような条文や「させる」「指示する」などの上から目線な表現を廃し、「社員」と言わず「メンバー」と呼ぶといった社内で自然に感じられる言葉遣いに直し、現在の就業規則となった。
今後は就業規則を一般公開し、誰でもまねしてもらえる状況を作りたいと思っている。それにより、「ここが分かりにくい」、「もっとこうした方が良いんじゃないか?」などの意見をいただくかもしれない。さまざまな意見を吸収することで、私たちの就業規則をさらに進化させていきたいと思っている。まだ一般公開には至っていないが、理想の就業規則作りに興味のある方がいらしたら、ぜひ意見交換をさせていただきたい。この取組みが、「幸せに働く人」を増やし、日本の生産性向上にも寄与できるものと信じている。
筆者:㈱ネオレックス 代表取締役社長 駒井 拓央【愛知】
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