【ひのみやぐら】長期休暇でも規則正しい生活を
多くの企業で8月10~18日当たりが夏季休暇となっているのではないだろうか。故郷への帰省や海、山での旅行などに、すでに心が弾んでいる人も少なくないかもしれない。そうした憩いのひとときやレジャーを心待ちにしている心境に水を差すようで申し訳ないが、安全衛生面から見ると、長期休暇明けは労働災害が起こりやすいので注意したい。
心が完全に休日モードのまま仕事に就くと「うっかり・ぼんやり」といったヒューマンエラーが起こりすい。緊張感が緩んでいる状態では、見間違え、聞き違いなど単純ミスが考えられる。「スイッチを切ったはずなのに入れっぱなしになっていた」などの思い違いもありがちだ。
屋外作業で働く人は熱中症に注意したい。身体が暑さに慣れていても夏期休暇に入ると、4日後にはリセットされてしまうといわれている。再び暑熱順化するにしても7日以上かけて調整するのが望ましいとされており、やはり休み明けは危険といえる。
長い休みを満喫してしまうと、心理的にも出社するのが億劫になる。いわゆる「月曜病」だ。気分が重いまま、憂鬱な状態で作業をすると思わぬ事故を招きやすい。
人間は約25時間周期で変動する概日リズムによって生存しており、このリズムが乱れると、さまざまな体調不良が現れる。休暇明けに事故や体調不良を起こさないためにも、休みだからといって夜ふかしや朝寝坊をすることなく、平日と同じような時間帯に起床・就寝し、規則的な生活を心がけたい。
まずは、休みだからといって朝食は抜かない。胃腸の体内時計は、朝食をとることでリセットされる。
寝つきをよくするために、運動をするのがよい。ウォーキングで30分、ジョギングなら15分程度の少し汗をかく運動は暑熱順化にもなる。入浴はリラックス効果があり、湯船につかることは暑熱順化につながる。就寝前の過度のパソコン使用やスマートフォンは控える。ブルーライトが悪影響を及ぼすとともに、情報の洪水で脳が疲労しやすい。
夏季休暇期間中は、上手に心と身体をリフレッシュしたい。