感謝忘れず「ご縁」に応える/社会保険労務士法人 あいよコンサルティング 代表社員 佐々木 尚美
いつも読んでいた社労士プラザに寄稿する機会がくると考えたことはなかったが、これもご縁と心得て、20年余りにわたる社会人人生を追想しつつキーを叩いている。
そもそも私が社会保険労務士という職業を知ったのは、大学を卒業して就職し数カ月が経った頃であった。
当時、私は電機メーカーの技術部門に勤務していたが、隣席の先輩が会社の労働組合で役職に就いており、36協定や就業規則といった単語を発していたことを覚えている。
ただ、その時はそれほど気に留めることはなく、そういったものがあるのかという程度だった。しかし、自身が担当する業務改善に向き合っていくうちに、業務災害の発生率や部品の不良率は、設備や工程、作業方法といった現場を要因とした条件だけの結果ではなく、部門内での信頼関係や人事考課制度など、目に見えなくともヒトの内面に強く影響を与えるものも合わさった結果として顕在化したものだという確信に至っていた。
そして、そういった組織の内面に向き合える仕事として出会ったのが、社会保険労務士という職業であった。
その後、社会保険労務士試験に合格し、開業前に勤務していた社会保険労務士事務所に拾っていただいた。そこではさまざまな業種の事業所と案件を預からせていただいた。資格を持っていたとはいえ、実務経験もなく、まったく異なる畑から来た私にとって、事業所の内側の業務を通じてより良い企業づくりをお手伝いできることが、何よりも嬉しく有り難かった。
当然、事業主の考えは多種多様であるがゆえ、常に賛同をいただけるわけではなかったが、事業所にとって良い未来につながる提案をするという考えを欠かしたことはない。
現在は自身の出身地に戻り開業し、11年が経つ。平成の大合併が行われたとはいえ、当法人が所在する自治体は人口7万3000人程度の地方都市であり、開業時には田舎で仕事があるのかと心配されることもあったが、不安はなかった。
この職業を通じて社会を良い形で未来につなげていく。その一助ができていれば地方都市でも仕事がないはずはないと考えていた。
結果として、今までの道のりは平坦なものでも楽なものでもなかったが、お陰様で当法人自体が地域での雇用の受け皿にもなることができ、お客様だけではなくスタッフや取引先様からも良いご縁をいただいている。
これからも時代に向き合い、感謝を忘れずご縁に応えていく。すべきことはこれだけである。
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社会保険労務士法人 あいよコンサルティング 代表社員 佐々木 尚美【秋田】