【今週の労務書】『健診結果の読み方 気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目』
2024.07.20
【書評】
受診率向上に活用を
副題は、「気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目」。健康診断の結果にある数字や記号の意味を、一つひとつ丁寧に解説している。
肝機能については、代表的な検査項目であるASTとALTの違いに言及。それぞれ肝細胞に含まれる酵素で、肝臓が障害を受けると血中へ大量に溶け出す。肝臓や胆管だけに存在するALTと異なり、ASTは心筋などにも含まれるため、肝臓以外の病気でも数値が上昇する場合があるとした。
血圧や尿酸値など、解説した項目は合計43に上る。社員のヘルスリテラシーの低さに悩みを抱える人事や健康経営の担当者は少なくない。本書で得た知識を社内報などで活用すれば、「2次健診の受診率が低い」などの課題の解決が期待できよう。
(永田 宏 著、講談社 刊、税込990円、TEL:03-5395-3522)
令和6年7月22日第3458号16面 掲載