【安全衛生・お薦めの一冊】『セーフティⅡとは? 「失敗を減らす」から「成功を増やす」へ』

2024.07.29 【書評】
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現場のしなやかさを高める

 本書が提案する「セーフティⅡ」は、上手くいく可能性が高い成功例を増やすという考え方。再発防止対策を立て、設備を改良し、安全な作業方法を決めて守らせる従来型の事故防止手法は、失敗を減らして労働災害防止に効果を上げてきたが、結果としてマニュアルが増え続け、現場が持っていた〝しなやかさ〟が失われていったと著者は指摘する。

 事故事例に対して「なぜ?」を繰り返して根本原因まで遡り、「工期の遅れによる作業計画の無理があった」「適切な大きさの台車を用意していなかった」「元請会社に意見を言えない」など、不安全行動や不安全行動の背景にある問題を解決することが重要になるという。ヒヤリハットも、事故を防ぐことのできた成功事例と捉えて分析することで、望ましい行動の共有につなげられるとした。

 システムが複雑化し、思いもよらない人間行動など先が読みづらい状況が増えているとして、「しなやかな現場力」を育てる教育手法も紹介している。

(芳賀 繁 著、中央労働災害防止協会 刊、TEL:03-3452-6401、四六判、196ページ、税込1760円)

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2024年7月15日第2454号 掲載
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