“最期まで”寄り添う/ひとみ社会保険労務士事務所 代表 谷岡 仁美

2024.07.28 【社労士プラザ】
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ひとみ社会保険労務士事務所 代表 谷岡 仁美 氏

 今から十数年前、介護付有料老人ホームにて「入居者募集・契約、入居後相談、退去時手続き」などの業務に携わっていた。入居時に数千万円をお支払いいただき、人生の大先輩方に信頼をいただいて終の棲家を提供し、入居後の生活にも寄り添い、最期までご一緒する仕事だった。当時30歳代の私に人生を託してくださったご入居者には今でも感謝の気持ちでいっぱいである。入居検討者や入居者の「将来の医療費が心配」、「年金だけで生活できるかしら」、「逝去後の役所手続きとか、家族だけで行うのが心配」といった声に応えるため、私なりに学び、期待に寄り添わせていただいていたつもりであった。

 しかし、「上辺の知識じゃダメ。資格があるとか根拠を持たないと」と、先輩からアドバイスを受け、「社労士の勉強をしたら社会保険が学べる。労働保険も学べば相談業務の幅も広がるかも」と思い立って一念発起。受験生活に突入し、幸いにも合格、平成29年9月の非開業登録から社労士生活がスタートした。

 当時はすでに一般企業の事務職に転職していたが、業務内容はいわゆる手続き業務、規程類作成、相談窓口などであり、社労士修業となった。

 その後コロナ禍の令和3年4月、受験勉強の開始当初はまったく想定していなかった開業社労士として歩み始めた。非開業時代も無料相談会などに参加、人に寄り添う夢を叶えていたが、もっと機会を増やしたいとの思いからである。そしてこれまた想定外の「成年後見」まで携わるようになった。

 開業登録と同時に、「社労士成年後見センター千葉」の会員となり、現在までに法人成年後見の案件を2件受任させていただいた。後見人になる道を選んだのは、人に再び最期まで寄り添いたいとの思いからである。家庭の事情によって子育てと仕事の両立ができなくなり、やりがいあった介護施設での勤務をあきらめざるを得ず、ご入居者の最期のお見送りを続けることはできなかったが、別のかたちで果たすこととなった。

 成年後見人は社労士でなくても受任できる。ただ、被後見人の財産管理、また生活に寄り添わせていただく際、年金や健康保険に関する知識は社労士ならではの強みである。何より、「社労士」への信頼をいただいている結果が、生活を支え得る一端を担わせていただけるようになったのではないか。

 社労士になったことで、さまざまな「寄り添い」ができるようになった。ただ、「寄り添い」がエゴにならぬよう留意せねばと思っている。

ひとみ社会保険労務士事務所 代表 谷岡 仁美【千葉】

【公式webサイトはこちら】
https://hitomi-syakaihoken-roumushi-office.jimdosite.com/

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令和6年8月5日第3459号10面 掲載
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