【今週の労務書】『上司いじめ――企業法務弁護士が教える上司のためのハラスメント対応法』
2024.07.27
【書評】
「部下から」に悩む方へ
昨今増えている部下から上司へのハラスメント。「労基署行きますよ」「それパワハラですよね」などのセリフを職場で見聞きした人もいるのではないだろうか。本書はこうした言動を「上司いじめ」と呼び、対応方法を伝授している。
ハラスメントの法的な基礎知識から解説を始めており、マネジメント経験が少ない管理職も理解しやすい。具体的な対処方法は3章のケーススタディに収録。注意を「パワハラ」と言われた、など12の事例を紹介している。
著者が重要なポイントとした、労基署が問題にするのは労基法を守らない会社であり、従業員個人の問題ではない、パワハラは労基法に規定されていない、などを知っておくだけでも、実際に遭った際、落ち着いて対処ができるのではないだろうか。
(國安耕太 著、あさ出版 刊、税込1760円、TEL:03-3983-3225)
令和6年8月5日第3459号16面 掲載