【書方箋 この本、効キマス JIL-PT・濱口桂一郎選集(2024年上半期)】『プーチン重要論説集』『新しい階級闘争』『「中国」という捏造』ほか

2024.08.10 【書評】
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労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2024年の上半期に公開した濱口桂一郎さんご執筆のコラムをまとめてご紹介します。

『プーチン重要論説集』 ウラジーミル・プーチン 著
ロシアがウクライナへの侵略を開始してから早くも3年近くが経った。この間、国際政治学者や軍事評論家により膨大な解説が溢れたが、そもそもプーチンは何でこんなとんでもないことを始めたのか、という一番肝心のことについては、いまいち隔靴掻痒の感を免れない。

ウラジーミル・プーチン 著、山形 浩生 訳、星海社新書 刊、税込1980円


『新しい階級闘争』 マイケル・リンド 著
近頃、世界的に無責任な言説をまき散らすポピュリストが蔓延して困ったものだ……と感じている人は多いだろう。しかし、これは階級闘争なのだ。

マイケル・リンド 著、施 光恒 監訳、東洋経済新報社刊、税込2200円


『「中国」という捏造』 ビル・ヘイトン 著
「捏造」という書名は過度に挑発的だと感じるかもしれない。しかし、原題の「invention」には「発明」とともに「捏造」という意味もある。

ビル・ヘイトン 著、小谷 まさ代 訳、草思社 刊、税込3520円


『仕事と江戸時代』 戸森 麻衣子 著
この書評も2021年から始めたのでもう4年目になるが、その初めの頃に十川陽一『人事の古代史』(ちくま新書)を取り上げたことがある。古代から戦乱に明け暮れた中世を経て、平和な時代となった近世には、再び「働き方」が社会の重要な問題となった。

戸森麻衣子 著、ちくま新書 刊、税込1012円


『万物の黎明』 デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ 著
「万物の黎明」(The Dawn of Everything)とは超絶的に大風呂敷なタイトルだが、元の副題(A New History of Humanity=人間性の新たな歴史)や邦訳の副題(人類史を根本からくつがえす)というのが、まあ妥当なところだろう。

デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ 著、酒井 隆史 訳、光文社 刊、税込5500円


『新しい封建制がやってくる』 ジョエル・コトキン 著
今年の正月、NHKの『欲望の資本主義2024「ニッポンのカイシャと生産性の謎」』に出演した。ジョエル・コトキンというアメリカの学者が「新しい封建制がやってくる」と論じていたのが印象に残った。

ジョエル・コトキン 著、寺下 滝郎 訳、東洋経済新報社 刊、税込2200円


JIL-PT 労働政策研究所長 濱口 桂一郎 氏

選者:JIL-PT 労働政策研究所長 濱口 桂一郎(はまぐち けいいちろう)
83年労働省入省。08年に労働政策研究・研修機構へ移り、17年から現職。

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