【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2024年上半期①)】『いい絵だな』『絵すごろく―生いたちと魅力』『持続可能なキャリア 不確実性の時代を生き抜くヒント』ほか
労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2024年1~3月に公開したスペシャルゲストのみなさまにご執筆いただいたコラムをまとめてご紹介します。
『いい絵だな』 伊野 孝行、南 伸坊 著/とに~(アートテラー)
かつて3年ほど、老舗芸術誌『芸術新潮』で「TONY&INOCCHI マンガ展評ちくちく美術部」という連載を担当していました。毎月1つの展覧会を選んで、その感想を本音でちくちく紹介していくというもの。
『絵すごろく―生いたちと魅力』 山本 正勝 著/吉田 修(築地双六館館長)
1874年、クロード・モネの絵は「印象が描かれているだけで、壁紙の方がまだよくできている」と酷評された。同時代、パリ万国博覧会に出品された浮世絵は反響を呼び、ジャポニスムのきっかけにもなって、印象派の画家たちに影響を与えた。
『持続可能なキャリア 不確実性の時代を生き抜くヒント』 北村 雅昭 著/石山 恒貴(法政大学大学院教授)
本書は、大手前大学の北村雅昭教授が「持続可能なキャリア」を初めて日本に紹介した書籍であり、類書がない。持続可能なキャリアは、不確実性を増す環境下で重要性が高まっている概念だが、日本ではまだあまり知られていない。
『盲目の時計職人 自然淘汰は偶然か?』 リチャード・ドーキンス 著/三遊亭楽麻呂(落語家)
テレビドラマ『不適切にもほどがある!』が大人気だ。それに触発されてあの頃の書籍を紹介したいと思い立った。そこで選んだのが本書である。英国での初版の刊行は1986年。昭和61年だ。
『資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか』 レベッカ・ヘンダーソン 著/荻野 勝彦(中央大学客員教授)
2019年8月、米国の主要企業で構成される経済団体であるビジネス・ラウンドテーブルは、いわゆる「株主資本主義」が気候変動や格差拡大などの問題を引き起こしているとの批判に応えて、株主に加え顧客や従業員、地域社会などの利益をも尊重する経営への移行を宣言した。