【今週の労務書―2024年4~6月掲載記事を振り返る】
『労働新聞』で掲載している書評欄『労務書』から、2024年4~6月に掲載した書評をまとめてご紹介します。
『中小企業の外国人雇用』
副題は「その現状と課題、活用へのヒント」。外国人活用経験の少ない企業向けに、採用・定着に向けて留意したいポイントをまとめている。
『ビジネスおたすけノート(第19版)』
本書では、新入社員が会社生活を送るうえで必要となるビジネスマナーを網羅している。持ち運びやすいポケットサイズになっているため、携帯を推奨するのも良いだろう。
『〈共働き・共育て〉世代の本音 新しいキャリア観が社会を変える』
21世紀職業財団が1980~95年生まれ(ミレニアル世代)の子育て中かつ、夫婦ともに正社員のカップルを対象に実施したインタビュー調査を一冊にまとめた。実際のインタビューを多く引用することで、ミレニアル世代の夫婦像やキャリア観が明らかになる内容となっている。
『社会保険労務士の世界がよくわかる本』
本書は、社労士6人が、社労士制度の概要から、開業や顧客の開拓、能力の向上方法といった実務まで幅広い内容を解説したもの。たとえば能力向上方法では、都道府県ごとにある社労士会の研修や、社労士会のなかの支部で運営されているメンター制度の活用などを紹介。
『ジョブ型・マーケット型人事と賃金決定』
副題は「人的資本経営・賃上げ・リスキリングを実現するマネジメント」。日英の賃金制度の比較などをしてきた大学教授による1冊で、国内外の企業の事例を多数掲載する。
『増補版 問題社員の正しい辞めさせ方』
過激なタイトルではあるが、「経営者や上司が気に入らない社員を粛清するための本」ではない。経歴詐称や犯罪行為をしている、パワハラや無断欠勤に対して指導しても逆上する、開き直るなど、手の施しようがない問題社員を合法的に解雇し、他の社員と会社を守る方法を解説している。
『Z世代に嫌われる上司 嫌われない上司』
本書ではZ世代に嫌われやすい上司を7つのタイプに大別した。社会保険労務士の筆者は、そのうえでZ世代と信頼関係を築くための要点を解説する。
『スタートアップのための法務・税務・労務パーフェクトガイド 知財戦略からIPO準備まで』
本書は、社会保険労務士や弁護士など7人の専門家が執筆したもの。新規事業の立上げからIPO(新規公開株式)までに必要となる労務管理のポイントを紹介している。
『「行きたくなる」オフィス 集う場のデザイン』
テレワークなどにより働く場所の選択肢が増えオフィスに行かなくても仕事が可能になったなか、行くからこそ得られる要素が重要になっているとして、その実現方法などを解説したのが本書である。
『進化するキャリアオーナーシップ』
キャリアオーナーシップとは、個人が自らの意思で主体的にキャリア形成に取り組むことを指す。本書は、富士通㈱が実践するこれに関する人事施策についてまとめたもの。
『人事のためのデータの見方・使い方』
バブル崩壊後から続く失われた30年。著者は失われた30年の原因の一端は、人事管理の非合理性にあると説く。具体的には、エンゲージメントなど、パフォーマンスを上げるための議論に過度に集中しており、自社のレベルを定量的に測定してこなかったと強調している。
『Q&A現代型問題管理職対策の手引―組織強化と生産性向上のための実務指針を明示―』
管理職の登用時と在職中、降格・退職の際によくみられる問題とその対応策をQ&A方式で紹介した。能力不足やハラスメントなどの問題を起こす管理職への対応だけでなく、育成する上での留意点や、外国人などの多様な人材を登用する場合に必要な手続きについても解説している。