【助成金の解説】人材確保等支援助成金(人事評価制度改善コース)/岡 佳伸

2024.08.10 【助成金の解説】
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令和6年度復活

 「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」は、生産性向上のための人事評価制度と賃金制度の整備を通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成するもので、人材不足の解消を目的とされています。令和3年度までにあった助成金ですが、令和4年度と令和5年度は新規受付停止となり令和6年度から新規の計画が受付開始になりました。

助成金の支給額

 80万円

助成金の目的

 生産性向上に資する人事評価制度を整備し、定期昇給等のみによらない賃金制度を設けることを通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成するものであり、人材不足を解消することを目的としています。人事制度の導入だけでなく運用を行い、離職率の低下及び人件費総額が3%アップした事業主に対して支給されます。

受給のポイント

① 人事制度の導入により、人件費総額が3%以上アップしていなければなりません。ただし、公正な人事評価の結果3%アップしない労働者がいたとしても、総額でアップしていれば問題ありません。
② 人事評価対象労働者には期間の定めの無い者(いわゆる正社員)以外にも1年を超える見込みのある期間雇用者も対象にしなければなりません。
③ 人事評価対象労働者とした期間雇用者は、キャリアアップ助成金としては無期雇用者と見なされます。よって、正社員化コースにおいては無期→正社員転換として取扱われます。
④ 人事評価対象労働者が1名しかいないところでも対象にはなります。
⑤ 導入する人事評価制度は新説または改定によるもので、年1回人事評価が実施され賃金表が作成されているものになります。
⑥ 制定される人事評価は人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示している。ものとなります。基準・方法が明確とは能力・技能・資格、行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要です。

お勧めポイント

 以前は人事制度導入助成があったため、離職率の低下目標が達成できなくても助成されましたが、現在は離職率の低下目標(300人以下は離職率が現状維持であること)を達成しない限り助成されません。人件費総額の3%アップが助成金の支給条件であり、今後も人事評価を適正に導入していくことによる人件費アップは避けられないと考えられます。また、55歳以上の労働者が居るのであれば、65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理制度改善コース)の受給も検討に入ります。

相談先

各労働局、ハローワーク

参考タイムスケジュール.支給申請までの流れ

厚労省リーフレットより


筆者:岡 佳伸(特定社会保険労務士 社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表)

大手人材派遣会社などで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。
日経新聞、女性セブン等に取材記事掲載及びNHKあさイチ出演(2020年12月21日)、キャリアコンサルタント

【webサイトはこちら】
https://oka-sr.jp

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