中小企業こそ人的資本経営/社労士事務所HR人事支援研究所 代表 清水 秀城
私は開業して13年目の社労士として、中小企業の組織づくりを支援している。従業員がチームの一員として成長や達成感を感じられる職場環境を構築することをめざし、経営者の人事課題に対応している。とくに若手人材の採用や離職、管理職の育成が年々重要視されるようになっている。
現在、大企業を中心に「人的資本経営」が注目されているが、中小企業だからこそ、この取組みを通じて企業価値を高めることができると考えている。まず、従業員のスキルや特性をデータ化・可視化でき、最適な配置や育成計画が可能となる。これにより、各従業員の強みを最大限に活かし、組織全体の運用が効果的になる。
さらに、スキルやキャリアに焦点を当て成長機会を提供することで、組織への忠誠心が高まり、エンゲージメント向上を実現する。自己の成長を実感できる環境では「長期的に働きたい」という意欲が高まり、離職率低下も期待される。
こうした取組みは、組織の生産性向上をもたらし、ES(人間性尊重経営)を強化する。エンゲージメントサーベイを活用することで、ESの状態を定期的に把握し、必要に応じて改善策を迅速に講じることができる。サーベイ結果に基づいたフィードバックを行えば、さらなるエンゲージメント向上につながる。
企業のイメージアップにも寄与する。外部から「従業員を大切にする会社」として評価され、企業の信頼性が向上する。採用市場においても競争力が増す。
中小企業においては「共感経営」も重要だ。経営者が従業員の価値観や感情に寄り添うことで、信頼関係が強化され、個々のモチベーションや組織全体の結束力が向上する。従業員は経営者のビジョンや理念に共感し、より積極的に会社に貢献するようになる。
私は、新規のお客様に対しては、丁寧なヒアリングを通じて信頼関係を築き、組織の課題を引き出すよう努めている。企業の強みを再確認し、クライアントが自社の価値を見直すことも多い。とくに事業承継を行った若手経営者には、理念づくりやビジョンの整理、人事ポリシーの策定を支援し、企業の未来像を明確にする手助けをしている。
企業の価値観に合った人物像を明確にすることで、自社独自のPRや採用活動が可能になる。また、従業員の定着を図るためには、対話の場を設け、理念を浸透させることが重要であると考えている。
顧問契約を通じて企業と長期的にかかわりながら、従業員面談や社員研修等を通じて、企業と従業員の成長を実感できることが、社労士業の大きな魅力の1つであると感じている。
社労士事務所HR人事支援研究所 代表 清水 秀城【東京】
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